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去年春から、ほぼ1年を掛けて、USAMI fine food &cuisineさんのお仕事をさせていただいた。それが、クリエイティブプラットフォーム大分の事業として、サポートが始まった。じっくりコンセプトを突き詰め、サイトを立ち上げた。そこへコロナ禍の襲来。

母体である石仏観光センターへはもちろん、催事の激減でケータリングにも当然の打撃。センターの夏の風物詩だった蓮料理も提供が危ぶまれた。川を隔てたご自宅に併設されたGallerySARAYAMAは、ご主人H氏が復興した臼杵焼きの常設展示場だが、イベント会場でもある。カタチを変えて、ここでやってはどうか。その想いは、蓮花茶会と名を変えた。
某日。僕も一人の客となった。定員は10名。料理、器、空間、所作、すべてが美しかった。お客様方から漏れる感嘆の溜息がその出来事を物語っていた。催事のあり方はずっと考えてきたが、その答らしきものが見えた気がした。料理人は素材の表現者だ。農業、漁業と消費者を繋ぐ意義ある仕事。USAMIの素敵で大きな可能性が見えた蓮花茶会だった。

何種かのお茶をいただきながら、プログラムは進んだ。

来場者への挨拶から厳かに始まる。少人数ならではの雰囲気。

壱の茶は、地元緑茶のスパークリング。ストローは蓮の茎。

先付は、臼杵豆腐の生姜あんかけ。蓮の葉の美しいこと。

八寸。茗荷寿司、冬瓜やオクラのお浸し、アスパラの春巻きなど。

向付と揚げ物。桃の胡麻クリーム、蓮と海老の飛竜頭。どれもが美味しい。

冷やし鉢は、夏野菜のパフェ。色鮮やかで目でも楽しんだ。

焼き物。焼き茄子と白味噌ソース。葡萄とイチジクがアクセント。

椀物。一際僕を惹き付けた一品。枝豆の刷り流し。キレイ。

飯物。蓮ご飯。これはかつてベトナムの宮廷料理だった由。

甘味。青梅蜜煮と梅氷。じわじわと程よい満腹感も。

締めは蓮花茶。大きな蕾に白湯を掛けて花弁が開く。優雅。

 

by 江副 直樹 2020-8-28 10:10 
EZOE naoki

田舎を拠点のプロデュース稼業。その日々仕事雑感、問わず語り。

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