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あなたは、決してやって来ない船を延々と待っているかも知れない。どこにも存在していない船を。それを求めてやり過ごしているうちに、持ち時間は減り、いつの間にか世の中はまったく様相を変えている。次の場面でもまた、永遠に来ない船を待ち続けるのだろうか?

仕事の現場では、日々膨大な数の会議が行われていることだろう。しかし、短所は一切なく長所だけの名案を探して、終わることのない会議のなんと多いことか。そんな幻を追いかけて、人生を浪費する虚しさ。状況が変わるのは、無欠の名案が見つかるからではなく、短所を孕んだ新しいアイデアを選ぶ決断ができたときだ。決断がコトを進めるとは僕の百万遍。
来た船に乗り、その航路を変えることが本当の改革、イノベーションでないか。日田の天才左官、原田進は、「本モノよりあるモノ」と喝破した。未来とは、違う川や海で待っているのではなくて、目の前の船に乗って出会うものだ。過去があって今があり、今のその先に未来は続いている。良き企画とは、夢見心地の無いものねだりとは根本的に異なるのである。

それが豪華客船かどうかはわからないけれど。

by 江副 直樹 2023-4-13 22:10 
EZOE naoki

田舎を拠点のプロデュース稼業。その日々仕事雑感、問わず語り。

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