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弔いの夏。

2014.9.7

今日は雨が降らなかった。近隣では夕立はあったようだが、日田周辺は珍しく晴れ。

夏、気温は上がり、雲が湧き、通り雨が大地を打つ。木々の緑は深まって、生きとし生けるものの生命感が最も強まる季節。例年にない長雨に泣いた今年でさえ、セミは朝から鳴いたし、種々のとんぼが飛び回り、ありとあらゆる小動物が蠢いた。そんな夏も終盤。

まだ薄暗い夜明けに、涼しげなヒグラシの声が響く。向こうの山ではコジュケイがしきりに啼く。回りが明るくなるとセミの大合唱が徐々に軌道に乗る。藪の中には蚊が待ち構えるので、撮影散歩もどこか慌ただしい。目の前を横切るオニヤンマの勇姿にうっとりしたり。日中、なんとか時間を作っては友釣りに繰り出すのだが、この夏は機会が激減した。
魚釣りならまだしも、農作物は日照時間の少なさが嘆かれた。それでも季節は巡る。お盆を過ぎた頃から、朝の気温が下がり始める。歩く道には、セミの亡骸が目立つようになる。気づくと、夜は虫の音が聞こえるようになって、それは夜明けまで残る。鳥の声も控えめな静かな朝。ケヤキの黄葉が落ち始めると、騒々しく賑やかに命を謳歌した夏が逝く。

来週も淡路、鹿児島と連続出張。おっと、その前に山積の宿題をやっつけなければ。

カナブン行き倒れ。

死体を見る楽しみは、じっくりと観察できること。カナブンってこんなにきれいなんだ。

アブラゼミ憤死。

うるさいほどのアブラゼミも、秋が見え始めるとあちこちでこの有り様。目を剥いている。

マムシひき逃げ。

マムシやムカデは本当にいやな連中だが、彼らだって生きている。轢死とは無念。

クワガタ墓標。

わが家では、カブトムシとクワガタと玉虫が死んだ。次男お手製の墓標は敬語だった。

 

by 江副 直樹 2014-9-7 22:10 
EZOE naoki

田舎を拠点のプロデュース稼業。その日々仕事雑感、問わず語り。

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