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釣り人はいつも魚泥棒だ。年柄年中、川や海にいる魚を釣り上げることばかり考えている。僕はもう40年来の川の釣り人で、大きなヤマメやアユを一匹でも多く釣り上げることに没頭してきた。何よりも釣りを優先し、少しでも川に居ようと悪だくみを絶やさない。

仕事が一段落したらなんて考えない。時間は作るものだし、スケジュールはこじ開けるものと心得ている。他人様が働いている最中に、のうのうと竿を出す。イソップ寓話のアリとキリギリスよろしく、労働に勤しむ人々を尻目に、生産性のない遊びに精を出しているのである。言わば、川キリギリス。冬になったら、哀しい物乞いが待っているのだろうか?
そんな教訓の正しさを証明するために生きるのも癪だから、仕事の仕方は常識に縛られぬよう、常に知恵を絞って来た。カレンダーや世間のオンオフに惑わされないこと。また、数十年前からリモートを早々と実践してきた。それで田舎暮らしも可能になったのである。そのことでBBCにも取り上げられたりした。川キリギリスは、来季も川で歌を謳うつもりだ。

鮎釣りの午後。シーズン終盤、キリギリスは何想う?

キリギリスの夏の好物。とは言え、釣ったらもう満足。

3月から5月は、キリギリスはヤマメを追いかける。

水面の羽虫をついばむ良型を仕留めたキリギリス。

by 江副 直樹 2020-10-5 12:12 
EZOE naoki

田舎を拠点のプロデュース稼業。その日々仕事雑感、問わず語り。

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