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川に鮎香る。

2015.6.22

雲は空いっぱいに広がるが、雨はぱらつくにとどまっている。川へ行こう。

次男が生まれた夏に始めた鮎の友釣りは、今年で早くも10季目を迎える。ホームグラウンドの筑後川は、他地域の河川より一足早い5/20に解禁。だが、たちまち入梅となって出鼻をくじかれる。上空に立ち上がる入道雲を待ち焦がれて、梅雨の晴れ間にお茶を濁す6月。

友釣りの魔力は、囮鮎に野鮎が掛かったときの衝撃に尽きる。ヤマメのフライフィッシングでも、水面に浮かせるドライフライは、毛鈎に飛び出る魚体が見えて、甚だ興奮するのだけれど、もしかしたら友釣りの快感は、それを上回るかも知れない。10mに届かんとする長い竿を持って、川に立ち込む。目眩のするような炎天下で、水中で銀色の魚体が翻る瞬間。
目印が吹っ飛ぶという言い方をする。縄張りを守ろうと、囮にアタックする野鮎は1mも離れたところから、猛烈な体当たりをする。そして、そのまま囮の鈎に掛かったまま一気に下流に突っ走ることがある。反対に、囮を引きずって上流に駆けることも。その優美な魚体からは想像できない圧倒的なパワー。遊んでいるようで遊ばれているのはここでも同じ。

ヤブクグリとか、生協とか、学校とか、ヒタモノとか、相変わらずの1週間の始まり。

胸びれの後ろにある黄色のマークを追い星という。グッドコンディションの証。

梅雨空の下なので、陽光は期待できない。充分楽しいが、やはり鮎は太陽の下で。

ヒレの先端も黄色に染まる。美しい魚体に暴力的なパワー。惹かれないはずがない。

増水時に、鮎が岩に付いた苔を食べた跡。俗にハミ跡と呼ぶ。いっぱいいるぞ。

 

 

 

 

by 江副 直樹 2015-6-22 22:10 
EZOE naoki

田舎を拠点のプロデュース稼業。その日々仕事雑感、問わず語り。

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