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いい企画、いいアイデアには、共通の特徴がある。それは、必ず前提に踏み込んでいること。きっかけは、前提にこそある。一方、世に転がる数多の仕事は、繰り返し。先行する事例があり、それをなぞる。新しいと言っても、多くは所詮マイナーチェンジにとどまる。

プロデュースの依頼は、何事かの根本解決を期待されているケースが多い。これまで、過去の延長線上でさまざまな解決策を試みたが、うまくいかない。ほぼそんな状況でオファーが来る。つまり閉塞。そこで、新たなアイデア、新たな切り口を見つけ、突破に踏み出すわけだが、依頼した側の仕事ぶり、評価軸は、なぜかそのままというケースがほとんどだ。
すると、何が起こるか? 提案が見慣れない。仕事の進め方に馴染めない。そりゃあ、文脈が昔のままならね。古い革袋に新しいワインを入れるという喩えを思い出す。イノベーションの本質は自己改革。昨日と同じ今日を守りながら、それを変えて欲しいと願う矛盾に気づかなければ、望む明日は永遠にやって来ない。プロデュースは、そこに切り込む仕事なのだ。

結果だけを新しくするなんて、できない相談だ。

by 江副 直樹 2020-5-31 18:06 
EZOE naoki

田舎を拠点のプロデュース稼業。その日々仕事雑感、問わず語り。

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