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前期高齢者になり、それでも悪いところはどこにもなく、毎日元気に過ごしているが、歳を取ることの怖さはいくつかある。なかでも、最悪の恐怖がタイトルのこれ。いわゆる衰えの話とは少し違う。アンデルセンの珠玉の寓話は、いまも僕の心に警鐘を鳴らしてくれる。

プロジェクトや会議等で、自分が最年長というケースが、圧倒的に増えてきた。プロデューサーというリーダー的ポジションと相まって、対等な意見交換が失われやすい状況が生まれている。持ち上げられ過ぎて、蚊帳の外。過剰なる慇懃無礼。これは、とってもヤバイ。想像するだけでゾッとする。ほらほら、偉そうな椅子にふんぞり返ってるとこうなるぞ。
この人には何を言っても許される。この人はハナシがわかる。シャレがわかる。この人なら何とか助けてくれそう。そう思ってもらえるように努めていこう。何かの中心に居ようとせず、辺境に暮らし、どんな組織にも属さず、権威に寄らず、常に在野であること。そして、寓話の中の少年たちのように、王様は裸だと叫ぶことができるようにしておきたいものだ。

しなびるのは構わない。醜く腐るのがイヤなのだ。

by 江副 直樹 2021-7-13 10:10 
EZOE naoki

田舎を拠点のプロデュース稼業。その日々仕事雑感、問わず語り。

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