荒野をめざす。
2025.9.27血とは不思議なものだ。血脈という言葉があるように、それは確実に受け継がれていくらしい。東京で料理人をしていて、先頃転職の相談を受けていた長男から、LINEが来た。後悔したくないから、やっぱり絵を本気でやってみると。バイトをしながらやっていくと。
胸にズンと来た。どこか予感もあった。3年足らずの経験ながら、それなりの有名店で事実上の副料理長を務めている。しかも、いつの間にかポスターデザインや店内演出までするようになっていた。数年前から、イラストのインスタもやっている。すべて独学。そもそもヤツは水泳で高校に進学したのだ。料理に収まらないだろうと読んでいたが、案の定の展開。
得がたい縁で、一流料理人からありがたいお誘いもある中で、料理より世界観を作る仕事がしたいなどとほざきやがる。生意気だと思うが、頼もしくもある。不安定な自営業の親父をずっと見てきたのに、結局イバラだらけの荒野をめざすのか。その時のLINEはこう結ばれていた。「実らなかったらただのおじさんになってしまう道で頑張ろうと思う」。愛しき息子。
by 江副 直樹 2025-9-27 10:10






