美と科学。
2017.4.29学生時代、数学や物理の成績が酷かったことがトラウマになり、理系にはどうしても苦手意識がある。その一方で、その世界の数式にも美醜が存在するなんて聞くとドキドキする。細部はわからないのに、本質に興奮する。科学とクリエイティブには同質のなにかがある。
両者の共通項は、「解決」だ。科学は、森羅万象を相手に、気の遠くなるような課題を詳らかにすべく、地道な日々を捧げ、ときに劇的なステップアップを起こす。一方、クリエイティブは、社会の課題を感覚野にまで深く訴えることで改善策を提示する。どちらにも通じるのは、美しい解き方が存在するということだ。同様の成果なら、それは美しい方がいい。
同じ答をもたらすなら、解決の最終型は、複雑よりもシンプル。ハイテクよりもローテク。デジタルよりもアナログが優れているはず。ここは美の重要な要素だ。FILTOMの尾池博士との仕事の中、あるいは筒井花火における東京大学井上准教授との対話で、この確信は強まった。美しい佇まいを伴った答を、詩を書くようにさらりと示したいものだ。精進精進。
by 江副 直樹 2017-4-29 6:06