
粗食礼賛。
2025.2.12ずっと我慢している。食べ物の話だ。かれこれもう40年近く。いまも食欲は旺盛だが、それを解放したらたちまち太る。しかし外食の機会は当然ある。それを忌避するほど野暮ではない。ただ、それを続けると少し厄介なことになる。僕は過去痛風になったことがある。
人生を彩るには、美食はなくてはなるまい。ご馳走に感動するのは、幸福のひとつのカタチだと思うが、美食だけを食べていては、カラダと財布が支障をきたす。かと言って、粗食だけでは思い詰めた修行僧と変わらない。となれば、たまの放埒は日々の粗食で取り返すしかない。と言うわけで、普段は、質、量ともに控えめで、地味なメニューで過ごしている。
そもそも、僕らの暮らしは、日常と非日常、ハレとケでできている。毎日満腹が続くような生活は、非日常の連続と考えた方がいいし、それはいつか破綻が来る。肥満は破綻には見えないかもしれないが、病根の育成という点では、なかなかにリスキーだろう。節制を旨としていれば、時折いただく美食は、驚くほど美味しくて、生きる喜びに変わるのである。
by 江副 直樹 2025-2-12 17:05