無手勝流。
2024.6.13独学について考えることがある。一般には、いわゆる正統な、体系立った知識やノウハウを学んで、人は新たなスキルを身に付ける。当初は、広大無辺なそもそもの対象への理解や、必要なスキルの修得のきっかけさえ見つからない。となれば勢い師匠を探すことになる。
しかし、僕はそうならない。特に仕事は。もちろん、学校に通ったり、会社に勤めたことがないわけではない。そこでは、先輩先達がいて、なんらかの手ほどきは受けている。ただ、なんと言うのか、教えを鵜呑みにすることはないし、少なくとも魂を預けたことはない。ひとり考え続けることによって、いつしか光明が見え始める。いつもその繰り返しだった。
芸術に師は要らないが、釣りには師が必要だ。と言ったのは、開高健だった。確かに鮎釣りは鄙の天才F氏に教えを乞うた。でも、フライは独学。関心と意欲があれば、森羅万象すべてから学べる。師に従い過ぎると、オリジナリティは遠ざかると思っている。守破離という見識もある。習慣や常識をすぐ疑うのはもはや性癖。無手勝流は、今後も治りそうにない。
by 江副 直樹 2024-6-13 8:08