無常について。
2024.2.6所詮一瞬だと思っている。いや、わが人生のことだ。薄っぺらい人生観の根底にそんな気分が確かに潜んでいる。それは今に始まったことではない。10代の終わりの混沌の中で、もがき苦しんだ挙げ句に掴んだ予感のような、諦観のようなもの。ただ、厭世感とは違う。
好きな諺に、「立って半畳寝て一畳、天下取っても二合半」というのがある。わきまえることを諭す珠玉の名言。先の想いは、これにとても似ている。若い頃、人生は何か成し遂げるには短すぎ、何もしないには長すぎると思ったことがある。気づくと瞬く間に流され、思い至ればまたたちまち移ろう。世に言う無常観とはこのことだろうか。時そこに留まらざり。
そんなことを考えていると、ひたすら切ないばかりだが、一方で確実にやって来る日々がある。朝晩の食事に想い巡らし、世過ぎの雑事に時間と心を奪われる。同時に、大小の興奮や感動が次々と訪れる。どこを見て生きるかと問われ続けているわけだけれど、僕はやはり花鳥風月を眺めながら、この生を全うしたい。などと、夜更けの瞑想、ここに極まれり。
by 江副 直樹 2024-2-6 10:10