水玉断章。
2013.6.30雨に降られたことで、デスクワークへの覚悟が決まる。雨もいいではないか。
雨上がりに外を歩くと、多種多様な野草の葉に載っかるバラエティ溢れる雫に出会うことができる。ベストは直後で、文字通り、こぼれんばかりの大小の水玉が落下を踏みとどまっている。あるいは茎や枝葉にぶら下がり、健気にしがみついている。
風景や草花の写真を撮っていると、チャンスは本当に瞬間で、その場にいると常に一定の焦燥感があって、癒されるはずの被写体なのに、心はどこかソワソワしている。雫などはその典型で、表面張力をみなぎらせてほぼ球体に近い美しい雫ほど、スルリと引力に従ってしまい、僕はカメラ片手に嘆息しつつ天を仰いで、次を探すのだ。嗚呼、忙しい。
葉の表面の性質によって、雫の有り様はさまざま。蓮や里芋のような葉は、風とともに銀色の雫が滑りながら動く。クローバーもそれに近い。ネコジャラシの葉は、写真のようにたくさんの雫を載せる。長い茎を持つ野草が倒れかかり、そこに見事に雫が並ぶことがある。雨、風、草木の、いくつもの偶然が重なって織りなす造形美。目が離せない。
月末提出の企画が何本も控えている。なぜこんなことになったか。誰か教えてください。
by 江副 直樹 2013-6-30 22:10