毒の盛り方。
2018.11.19毒に関心がある。毒舌と言うではないか。あの毒。棘とは違う。嫌味は別物。コミュニケーションにおける一捻り。ピリリと効くスパイス。センスオブヒューモア。エスプリ。ウィット。諧謔。塩加減。隠し味。強弱。抑揚。言葉はさまざまだが、毒は大事だと思っている。
肝心なのは毒の盛り方。毒とは、きっと本音の挿入。それを封印した味気ない物言いや退屈な作文ではなくて、芯のあるコメント、突き刺さるメッセージ。でもそれは、得てして濃すぎたり、辛すぎたりするから、そこにクスリとするようなエッセンスを一滴。本音を回避せず、知恵と工夫で発信する勇気。隠さない真摯、覚悟。同時に相手に対する配慮、気遣い。
毒消しの努力は見当違い。タブーの増加は息苦しい。ソフトドリンクで人は酔わない。お子ちゃま仕様じゃ効き目が薄い。いいデザインは鋭くて心地良い。名コピーは、えぐられながら落とされる。口説き上手は、おしなべてここが巧みだ。踏み入っておきながら手厚い。揺さぶっておきながら抱きしめる。まあ、安易にやり過ぎると時に自家中毒も。用心用心。
by 江副 直樹 2018-11-19 8:08