
早春の苦味。
2025.3.12フキノトウを意識し始めたのは、その昔ヤマメ釣りを始めて、各地の山間に通うようになってからだ。街中では縁遠い山の幸がなんだかとてもありがたくて、春の渓流でたくさん採って、蕎麦屋に持ち込んで天麩羅にしてもらったこともある。あの香り、そしてあの苦味。
フキノトウが出るエリアには、タラの芽も多い。山菜の女王とも言われるタラの芽を知るに及んで、釣行はさらに豊かさを増した気がする。いまから25年前に、福岡県のはずれの村に引っ越してからは、敷地内にさえフキノトウが顔を出すので、やたら感動し、朝の散歩では毎日数個のフキノトウを持ち帰ったりした。それらが食卓に上がる気分は格別だった。
現在暮らす日田では、数もサイズも限られるが、狩り場を見つけていて、昨春はおひたし、今年は遂に念願の蕗味噌を作った。元々大好物で、手ずから作る蕗味噌の美味しかったこと。自分が手掛けた地元井上酒造の百合仕込みで、少しずつ舐めながらいただく幸せったらない。今年は天麩羅にも挑戦するつもりで、他の山菜にも、俄然興味が高まっている。
by 江副 直樹 2025-3-12 15:03