
小鹿田の古皿。
2014.9.11淡路洲本の海はもう海水浴が終わっていた。秋風が吹き始めた海岸線を歩く。凪の海。
どんな食器でモノを食べるか。これは実に重要な事柄だ。特に贅沢をしなくとも、器やテーブルセッティングで、食事は随分豊かな時間に変わる。20年ほど、いろんな器を集めてきた。いや、正確には買い漁っているわけでもなし、自然と集まってきたと言うべきか。
飯椀、漆椀、お猪口、蕎麦猪口、グラス、片口、向付、ドンブリ、そして大小の皿。日常のことだけれど、いや日常だからこそ、少し配慮をすれば、同じ食事が何割増しか、時には数倍美味しくなる。餌ではなく食事だもの、見た目や気分はなにより大事にしたいと思うのだ。そんな中、かなりの頻度で登場するわが家の皿に、古い小鹿田焼きの数枚がある。
10年を超える村住まいで、得たものは数多いが、文化サロンの手仕事舎が閉じるとき、僕らは家具や食器をたくさん譲り受けた。中でもお気に入りは、小鹿田焼の古皿。意匠の特徴である飛びカンナも控えめにしか入らない。そのシンプルさに惹かれている。特にパスタは、専用の皿に見えるほど、サイズがピッタリ。ほら、今日もまたパスタが乗っている。
今日はとんぼ返りで、明日は鹿児島。途中、福岡で一泊。今回は少し長めの旅になった。
by 江副 直樹 2014-9-11 22:10