
嘘のつき方。
2025.2.22悪いオンナは嘘をつく。悪いオトコも嘘をつく。この世は、所詮化かし合い、嘘と嘘とのせめぎ合い。なんて言うと、どこかで聞いた安っぽい演歌のようだが、俎上に上げたいのはそんなことではなくて、嘘と真実の間の不思議な距離感についてである。ホントに?
創造の中に潜む嘘。恋文に込められる嘘。情熱を纏えば纏うほど、表現は事実からは距離を置いた魅惑の色を帯びる。どちらも、嘘と言うにはどこか甘く、誇張とか大袈裟と言うには、遥かに美しくて、時に切ない。一方で、そうした嘘のない、無味乾燥で無機質な、事実だけの羅列も多く存在するが、それはいったいどこまで人の心を震わせるのだろうか?
嘘も方便と言う諺は誰も知っているが、それに最も近い言い草は、伊達の薄着じゃないかと思うことがある。機能一点張りじゃなくて、少しだけ美しさを優先した生き様のことだ。体感の快適さえ確保しておけば、僕らは幸せになれるのか。旅役者の色気は、日常には不要な無用の魅力だからこそ際立つのではないか。今日もまた、結論に至る前に紙幅が尽きた。
by 江副 直樹 2025-2-22 12:12