品行方正?
2021.2.19品行方正、少なし仁。若い頃はこんなことを言ってふざけていたものだ。生まれてこの方、優等生だったことは一度もない。当時は開き直って、そんな戯言を吐きながら悪友どもと笑っていたのだが、最近の世の中の潔癖性向には、言いようのない違和感を感じている。
芸能人の不倫騒動はまだしも、政治家の失言やスキャンダルを、針小棒大、なにか大罪でも見つけたように大騒ぎし、ついには引きずり下ろしてしまうメディアと大衆。当事者たちは、まるで社会を清めているようなご気分かも知れないが、本当に良くなっているのだろうか?僕は、その罪らしきこと以上に、多大な損失を被っているような気がするのだが。
山積する世の課題を解決しながら、僕らは生きていかなければならない。それを特定の誰かに託して前に進むとき、その人材は清廉潔白な聖人君子であるべきとする傾向は、いったいいつ頃から強まったのか?優れた政治家は、清濁併せ呑むと古人は言った。人畜無害で、毒にもならない薬など、果たして効くのだろうか。これが幼稚化でないことを切に祈る。
by 江副 直樹 2021-2-19 6:06