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若干の寒の緩み。しかし、紅葉は次々に地表に落ちて、冬の足音は日に日に大きく。

プロデュースをするとき良く使う言葉に、俯瞰と客観というのがある。できるだけ対象全体を視野に入れること。可能な限り当事者の視点に縛られないこと。どのプロジェクトも、実現にはチームを組んで進めるが、メンバーにも折を見てこの言葉を投げている。

木を見て森を見ず。古人は、俯瞰の重要性を見事に言い表した。僕も頻繁に、部分の総体は必ずしも全体ではないと繰り返す。部分だけを作り上げて、それを積み上げていけば全体ができると考えるのは、幻想だと言い切りたい。自分の担当部分以外にまで目線を向けるのは面倒だ。これは人情だが、この配慮の有無が全体の結果に大きな違いをもたらす。
個々の要素は、関係をもって全体となる。部分だけにとどまるのは、この関係性を見落としていることに他ならない。この観点は、そもそもを意識しているか否かとも相似形を成している。プロジェクトの立ち上がりを知っているか、知ろうとしているか。ルーチンだけに汲々とするのは、部分にとどまることと同じ。ゆめゆめ、爪で拾って箕でこぼさぬよう。

今日からD&DEPARTMENT FUKUOKAで始まったちくご3DAYS。明日は僕もトークで。

紅葉の果てに。

秋が深まり、モミジは、黄から赤に色を濃くして、ついにはハラリと地表に落ちる。

引くと異なる風景。

どちらが美しいのか迷う。周辺の朽ちた木との関係も加わり、全体の空気が変わる。

こちらはイチョウ。

遠目には黄色に見えた地面も、改めて間近で見るとまた違った様相を呈している。

離れると別の風景。

思わず踏み入りたくなる落ち葉の重なり。微かなためらいを好奇心が上回る朝。

 

 

 

 

by 江副 直樹 2013-12-6 22:10 
EZOE naoki

田舎を拠点のプロデュース稼業。その日々仕事雑感、問わず語り。

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