
伝える作法。
2024.6.20この世はすべてコミュニケーションだ。繰り返される膨大な意思疎通が、僕らの日々を作っている。家族で、地域で、仕事で、果ては外交で、多様で夥しいコミュニケーションを続けている。伝達、提案、交渉、説得と、その目的によって、精度と強さが変わってくる。
家庭で、飲み屋で、会議室で、さまざまな情報が伝えられる。無邪気で一方的なものもあれば、真剣で相手の意識を変えてしまうようなシリアスなものもある。プロデュースは説得業とは、僕の繰り言のひとつだけれど、アイデアが納得と共に勝手に行き渡るなんてことはまずなくて、常に扉をこじ開けるような口説きの瞬間が必ずあり、成就はここで分かれる。
コミュニケーションには、履歴書タイプと恋文タイプがあると思っている。前者は詳しく正確に論理的にやれば伝わると考え、後者は多少の誇張も辞さず熱を持って感情に訴えかける。わからなければ更に専門的に詳細まで伝えようとしてますます引かれる滑稽は前者で、楽しげな未来を匂わせ遂にウットリさせてしまうのが後者だ。ゆめゆめ忘るることなかれ。
by 江副 直樹 2024-6-20 10:10