ここから本文です

ヒンガネー。

2024.7.26

漢字を入れると、「品がねー」となる。こんな表現を小学生が日常的に使っている姿を想像して欲しい。笑えるというか、滑稽というか、愉快というか。当時も違和感を持っていたのか、なぜか良く覚えている。もちろん、僕も常用していた。あいつ、ヒンガネーのう。

僕が小学生だった1960年代。八幡、小倉、若松、戸畑、門司の5市が合併し、北九州市と名を変える、ちょうどその頃。僕は八幡市の西の端に住んでいて、クラスの90%以上が八幡製鉄の社員の子供たちという典型的な企業城下町。高度経済成長を支える、名にしおう重工業地帯だった。川筋気質というヤンチャな文化が染みついた土地。そこでこの常套句。
しかも、年端もいかない子供が発する言葉としては、なかなかユニークだと思えてならない。僕らは、本来の「上品じゃないね」という意味より、みっともない、ダサいといったニュアンスで使っていた気がする。地域に上品への憧れでも満ちていて、それが子供たちに伝播したと考えるべきか。いま、同級生たちは品良く暮らしているのだろうか(笑)。

ブランコに乗る昔の次男。オマエたちはどうよ?

 

by 江副 直樹 2024-7-26 10:10 
EZOE naoki

田舎を拠点のプロデュース稼業。その日々仕事雑感、問わず語り。

by EZOE naoki

Archives

◎2006年3月 → 2010年8月