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遅まきながら、解剖学者の養老孟司氏の人気著作を3冊ほど読んだ。「バカの壁」、「死の壁」、「超バカの壁」。どれも面白かった。物言わぬ死体を相手にする学者でありながら、虫屋でもある同氏には以前から興味があった。僕が描くインテリ像にほぼ合致する御仁。

状況の整理と分析、そして表現に引き込まれた。印象に残る言葉はいくつもあったが、中でも特に刻まれたのは、「アタマが丈夫」と言うフレーズ。ピンと来た。大事なのはそこだよね。思考が深く、感性が繊細でありたいとは、もうずっと思い続けているが、丈夫という観点は淡かった。そう、微細な目盛りで世の中を診て、解決まで考える強さが重要なんだ。
定期テストは後から数えた方が早いのに、実力テストは学年トップクラスにいた高校生の僕が、大学に入った途端、精神の混乱に見舞われた。そういう弱々しい小賢しさじゃないんだ。感じやすくても、潰れては意味がない。鈍いのとタフは違う。花鳥風月を旨としながらも、現実を歩く強さがなければ、その感性は活かされない。うん、アタマは丈夫がいいよ。

ココロさえこの中にある。NY近代美術館にて。

by 江副 直樹 2024-8-7 10:10 
EZOE naoki

田舎を拠点のプロデュース稼業。その日々仕事雑感、問わず語り。

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