アジサイとともに。
2012.6.28よく降る。あらゆる歳時記は、雨の後をついて行くのみ。青空が恋しくなってきた。
雨が降ると動きが鈍るのは人間ばかりで、アマガエルを筆頭とする蛙どもは、わが世の春で、蝸牛はどこからともなくうれしそうに現れる。アジサイはここぞとばかりに勢いを得て、青や紫、白やピンクの花弁を広げる。慈雨は棚田の若苗にも等しく降り注ぐ。
この天からの恩恵を受けるもうひとつの植物群。この時期、花を愛でる草木とともに、夥しい雑草が繁茂する。その発育スピードたるや、昨日と今日の違いがはっきり目でわかるほど。グングンという形容がぴったりの成長ぶりなのだ。田舎に来た頃は、なあに草なんて生やしておけばいいさと高を括っていたら、たちまち一帯は藪と化してしまった。
そんなわけで、春から秋まで、草刈りが日常に組み込まれる。農家は文字通り、毎日のように草刈り機が音を立てる。僕でさえ、2週間に1度は機械を振り回さねばならない。雨の後、水を含んだ雑草は切り易くなる。アジサイが人を楽しませる頃、川が増水で釣り人を拒む日は、僕は雨の合間を見計らい、やおら大地のトリミングを始めるのである。
上毛町プロジェクトが動き出した。明日は分母庵で非常に重要な話し合いがある。
by 江副 直樹 2012-6-28 22:10