すべては暫定。
2024.8.1例えば、政治家同士、あるいは評論家との議論で、「徹底的に議論して決めなきゃいいけない」というフレーズを耳にすることがある。至極ごもっともで、そうあって欲しいと思う反面、急を要する案件では迅速な決断が優先されるだろうと感じることも少なくない。
コトが進むのは、名案が見つかったからではなく、決断ができたから。これは、僕がプロデュースの仕事で時折使うフレーズ。世の多くの会議は、メリットだけのアイデアを探して時間を浪費していると思っている。新たなアイデアに潜む未知のリスクを甘受し、古いアイデアに残るメリットを切り捨てることを決断と言うのだが、この真理はすぐ忘れられる。
さらに議論を続ければ、より良いアイデアが見つかるかもしれない。しかし、すぐにでも解決策を待ち望む状況や人々があるとき、暫定措置を施すのは必至。その瞬間ベストな結論でさえ、時が経てば技術進化等でアップデートを余儀なくされる。拙速は全体の不幸だが、結論を出せない議論は、優柔不断と同じ。進化とは間断なき決断と言い換えられる。
by 江副 直樹 2024-8-1 10:10