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若さの前借り。
2019.2.120代のある時期から、このフレーズを使い始めた。諸事情から大学を中退し、家業の米穀店を手伝いながら、釣りやロードバイクに現を抜かしていた頃。大学入学時に思い描いた将来像は消え失せ、北九州の片隅で数少ない親友と夜な夜な語り明かしていた数年間。
説得の行方。
2019.1.25プロデュースは編集であるという定義に加えて、プロデュースは説得業だと言うことがある。プロジェクトの局面局面で、他人の意識に働きかけ、考えを修正していただき、逡巡する気持ちを覚悟に変えていただく瞬間が必ず訪れる。推進のための重要なプロセス。
基準を作る。
2019.1.12もう随分前から腹の底に澱のように溜まっている不満がある。時折、掻き混ぜられて澱は舞い上がり、改めてどんよりした気分になる。それはスタンダードについてだ。基準と言い換えればいいだろうか。新しいビジョンやアイデアが、度々海の向こうからやって来る。
我、苔を愛す。
2019.1.6苔が好きだ。地味で湿っぽい植物だが、いつの頃からか、惹かれ続けている。正確に言うと、苔そのものより、苔むした環境を好む。石庭よりも、苔の庭がいいし、磨かれた新しい石より、苔をまとった古い切石が良い。苔に覆われた景色を見ると心が落ち着く。
オンとオフの間。
2018.12.27年末年始はどんな我が身にも訪れる。年の瀬の雰囲気に押されて、つい来し方行く末をおもんばかったりする。今年もいろいろ考えたり、思い巡らせたけれど、そのひとつに公私の距離というのがある。オンとオフについては、ここ20年くらいで随分心境の変化があった。
訛りの研究。
2018.12.7方言の特徴をもって訛りと言う。会話の端々に、言葉の隅々に現れる地域性。訛りは土地や風土だけに影響されるわけではない。業界という領域にも、方言と訛りは存在する。やたら難解な文章を書きたがる建築家諸氏に向けて、「建築家訛りだ」と揶揄することがある。
赤降り積む。
2018.12.1師走の声を聞く頃、紅葉と落葉は盛りを越え、終盤に差し掛かる。花盛りの春と並んで、秋は高鳴りと胸騒ぎに包まれて過ぎて行く。毎年そうだけれど、今年はより一段と美しい風景が多かった。森はまず、ハゼの赤色から始まって、他の木々に徐々に広がっていく。
時間金持ち。
2018.11.25忙しいことが美徳とされる傾向がある。商いは、暇より忙しい方がいいに決まってるとの論拠。客が多く、仕事が多ければ、勢い忙しい。だから、忙しいは善。本当にそうか?短絡にも見える。半面の真理でしかないのではないか。時間をなくしてもいいのだろうか?
毒の盛り方。
2018.11.19毒に関心がある。毒舌と言うではないか。あの毒。棘とは違う。嫌味は別物。コミュニケーションにおける一捻り。ピリリと効くスパイス。センスオブヒューモア。エスプリ。ウィット。諧謔。塩加減。隠し味。強弱。抑揚。言葉はさまざまだが、毒は大事だと思っている。
情報の有り様。
2018.11.13情報、情報と日々聞こえるし、自ら言ってもいる。20年前に考えた僕のプロデュース原則は、商品と情報と空間を同時にいじるというもの。世の中のビジネス、商いの類は、およそこの原則に当てはまる。そして近頃は、この情報の意味合いが、さらに重要になっている。