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また少し寒くなった。なあに、もう騙されない。直にあったかくなるんだろ?

魚釣りを人生の中心に据えようと決めたのは20代半ば。もう30年以上前のことだ。それから、人並みの荷物を背負って、人生を歩いてきた。仕事に家庭に、時間と若さを吸い取られて、気づけばいい歳になってしまっている。こんなはずではなかった。

わざわざ言わなくとも、人生は一度きり。悔恨に終わる一生など真っ平御免。この歳になると、そうした想いは強まりこそすれ、弱まることはない。ヤマメ釣りで考えれば、ピークの春はあと何度訪れるというのだ。鮎釣りの夏もまた同様。季節で数える人生の短いこと。しがらみにまとわりつかれて、大切な釣りを後回しにしていいわけがなかろう。
魚釣りで食べていけるはずもない。そんなことはわかっている。これまでも、本業は釣りだが、食べていくためにバイトでプロデュースをしていると吹聴してきた。もうそろそろ本質を見つめて生きていくことにしたい。漁業のプロデュース。川魚のブランディングをすると思えばいいではないか。ここに、本日以降の釣り専業を宣言するものである。

締め切りに追われ過ぎると、人間は白日夢を見るものらしい。これは、夢か現か幻か。

春の仕事場。

春の仕事場は、標高の高い湧水の流域が多い。防寒対策が欠かせない。

春の取引先。

春の主要取引先はヤマメとアマゴ。気難しく、気遣いを余儀なくされる。

夏の仕事場。

夏の仕事場は中上流域に拠点が移る。熱射病すれすれの過酷な日々が続く。

夏の取引先。

夏の取引先は鮎。菜食主義なのに力自慢。何かにつけて引っ張り回される。

by 江副 直樹 2012-4-1 14:02 
EZOE naoki

田舎を拠点のプロデュース稼業。その日々仕事雑感、問わず語り。

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