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情報、情報と日々聞こえるし、自ら言ってもいる。20年前に考えた僕のプロデュース原則は、商品と情報と空間を同時にいじるというもの。世の中のビジネス、商いの類は、およそこの原則に当てはまる。そして近頃は、この情報の意味合いが、さらに重要になっている。

俗に、「口の端に乗る」と言うが、情報は常に口コミを経由している。情報は人に届き、共感、時には反発といった感情的反応を組み込み、多少の編集を経て、また別の人に渡っていく。得てして誤解されがちだが、メディアやネットは、それに取って代わっているわけではない。それらは、口コミを加速し、増幅しているだけである。情報は必ず人を通る。
一方で、情報の中には、根拠の薄い、あるいは根拠すら無い噂まがいの与太話も数多く潜んでいる。多大な利便をもたらしてくれたインターネットが、皮肉にもここを一気に拡大してしまった。情報分析などに期待の集まるAIもまた類似のリスクを孕んでいる。切れるナイフは怪我も大きい。情報は、五感で直接確かめるのが一番良い。ゆめゆめ忘るるべからず。

webとは、蜘蛛の巣のことだ。こんなにキレイな蜘蛛の巣だったらね。

ネットは間違いなく便利だが、人の先に存在しているわけではない。

詰まるところ、大事なことは僕らの五感だ。そこから世界は編まれていく。

どっこい遺物とならずに生き残る本。人間に丁度良い便利さかも。

by 江副 直樹 2018-11-13 8:08 
EZOE naoki

田舎を拠点のプロデュース稼業。その日々仕事雑感、問わず語り。

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