ここから本文です

ヒトでもモノでもコトでも、必ず長所と短所がある。長所だけでできた名案を探して流浪の時間を過ごす会議の滑稽については、過去何度か書いた。そんなものありゃしないのに。完璧主義とは、とてつもない強欲と同義かも知れないとも思えてくる。なんて言ってみたり。

決断とは、新しいアイデアに隠れる短所を受け入れ、古いアイデアに残る長所を捨てることだとは、かつて仕事をご一緒した先輩の至言だ。思わず膝を打った。以来、受け売りを続けている。これは、言葉を換えると、短所はどこまで行ってもなくならない。例え長所が成長しても、短所は相対的に目立たなくなるだけで、消えてしまうわけではないということか。
人間関係においても、相手を苛む短所が縮小されず温存されれば、一方でどんなに好意や愛情があろうとも、関係はいつか破綻の憂き目に会う。つまり、決して嫌いではないのに、短所のもたらす不快が蓄積されて、蜜月はいつか終わりを迎える。すべてが短所だけになるなら甚だ明快だが、いまだ存在する長所の魅力に僕らは逡巡し、苦しむのだろう。切ないね。

時間の経過は、想い出も増やすが、さまざまな澱も溜める。やだやだ。

長所と短所のバランスをキャラと言い、味わいと言うのかも知れないが。

by 江副 直樹 2017-5-4 0:12