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釣りの知性。

2017.8.27

フライフィッシングは40年近く。鮎の友釣りは10年余り。各々が、欲に押された釣り人の知恵の集積。中でも、友釣りのシステムは、驚くべきアイデアの宝庫。そもそも、岩に着いた苔しか食べない魚を釣ってしまう発想に驚愕する。縄張りの習性を利用するなんて。

そして仕掛けの細部。メタルラインという極細の道糸。10mでも片手で持ててしまうハイカーボンロッド。鼻カン周りという部分のさまざまな試行錯誤の歴史。ウェアに至っては、ハイテクの権化。藍染めの作務衣と陣笠は、遠い昔の話となっている。これらを駆使して、魚に挑むが、ここから先はソフトウェア。頭脳と身体をフル動員した対処が求められる。
まずは観察力。これは大自然との対峙。名人たちはおしなべて思考が柔軟だ。そこで得た情報を仕掛けや釣法に反映させる表現力と決断力。凡庸な釣り人は、実績に引っ張られ保守的になり易い。さらに、生命の危険さえ隠れている川での、身体能力と持久力。肉体もまた知性で運ばれる。釣りは、上質の芸術やスポーツと相似形の興奮に覆われているのである。

僕は鼻カンじゃなく背カンを使う。糸に編み込みまれて移動もできる。

日によって、季節によって状況は変わる。何年やってもわかんない。

苔の着いた岩は滑る滑る。ヨロヨロフラフラ。さぞかし滑稽だろう。

いつもこうなら、言うことなし。しかし、そうは問屋が卸さない。

by 江副 直樹 2017-8-27 18:06