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赤降り積む。

2018.12.1

師走の声を聞く頃、紅葉と落葉は盛りを越え、終盤に差し掛かる。花盛りの春と並んで、秋は高鳴りと胸騒ぎに包まれて過ぎて行く。毎年そうだけれど、今年はより一段と美しい風景が多かった。森はまず、ハゼの赤色から始まって、他の木々に徐々に広がっていく。

中心にいて主張をするのは、圧倒的にモミジだ。その周辺で、多様な落葉樹が、多様な色を纏い、舞うように落下していく。モミジの次にイチョウが鮮やかな黄色に染まる頃、紅葉のピークはもうそこまで来ている。万感胸に迫るが、なかでもモミジの表情の豊かさは秀逸。赤を主体にしつつも、色はグラデーションの様相を呈して、それぞれに目を奪われる。
ほぼ毎朝、散歩をしていても、場所はもちろん、天気の具合、光の違い、気温の高低、風の強弱などで、広がる光景は一度として同じものがない。自然は、繰り返しのようでいて、なにひとつ繰り返しはない。朝は毎日新しいし、季節はその連続で構成され、人の一生はそのどこかに刻まれる一時でしかない。見上げる錦絵も、踏みしめる絨毯も、まさに一期一会。

その景色は突然現れる。苔むした老モミジの根元に降り続ける。

奥之院の参道には、大量のモミジが舞い降りる。折しも一帯は霧の中。

大階段を上がったところにある老木。前日掃き清めたのに一夜の雨風で。

雲海を見に行った折、家から15分でこの贅沢を味わえる。至福の朝。

by 江副 直樹 2018-12-1 20:08 
EZOE naoki

田舎を拠点のプロデュース稼業。その日々仕事雑感、問わず語り。

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