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今年の桜は例年に比べ、開花が遅かった。それでも、4月に入って蕾がほころび始めたら、もうあっという間。毎年毎年、僕を陶然とさせる花模様が、行く先々で繰り広げられる。そして、満開の少し手前から、早くも花は散り始める。始まりは終わりの合図でもある。

諸行無常、不易流行、行く川は絶えずして。誰でも、胸の奥ではわかっちゃいるが、わかりたくない気分もあったり。僕らは、希望だけを追って生きているから、毎朝上る朝陽を美しいと思うんだし。もしかすると、何十年も夢中になってる魚釣りは、始まりと終わりを幾度となく繰り返しているから新鮮さを失わないのか?シーズンのなかでも、1日の中でも。
視点を変えると、終わりのないような日々は、穏やかな安寧に見えて、その実いつまで経っても次が始まらないだけだとも言えるかも知れない。ルーティンは楽ちんだけど、変化に弱い宿命を背負うのは、そもそも始まりの芽を蓄えていないからなのだ。今季は桜吹雪を少しだけ違った心持ちで眺められそうな気がする。桜の真とは、散ることと見つけたり。

満開はまだ先。今年は、散りゆく桜を愛でる花見をしてみようか。

by 江副 直樹 2017-4-3 15:03