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風が吹くと桜が舞う。平地では葉桜が目立ち始めた。木々には瑞々しい若葉。

村内にある記録制作 手仕事舎と、そこで催される宝珠山小劇場のことは再三書いた。何も知らずにこの村に越してきて、すぐに教えられた場所。古い木造中学を仕事場とするドキュメント制作を生業とするグループ。主要メンバーは東京からの移住だと聞いた。

リーダーの故・田村悟史氏(本名:中村考一)は、自由な気風を漂わせるインテリで、過疎の村で出会う人物としては、違和感を越えたスケールをお持ちだった。改修を重ねた仕事場は、圧倒的な蔵書、6万枚ともいうSPレコード、骨董の家具や食器など、魅力が凝縮していた。そこで、仕事の傍ら不定期で小粋なイベントを催した。それが宝珠山小劇場だ。
僕や家族にとっては、そこは人とつながるサロンであり、刺激的な情報が行き交うメディア。手仕事舎のお陰で、僕らの田舎暮らしは期待以上の豊かさを伴った。その手仕事舎がついにこの3月を持って幕を閉じる。この日は最後のSPレコード研究会。蓄音機から流れる音をこれほど寂寥感を持って聞いたことはない。心からありがとうと言わせていただく。

3日間の東京から戻り、今日から数日は若干緩め。明日は元気計画の歓送迎会だ。

校舎の裏から。

すぐ裏の日田英彦山線の大行司駅から。折しも桜並木が花弁を散らしていた。

蓄音機に耳を。

窓の外から研究会の様子を撮ってみた。贅沢極まりない空間、時間、プログラム。

小さな打ち上げ。

西日が入り始めた教室で、ささやかな打ち上げ。差し入れはきこりめし弁当。

感謝の言葉もない。

美恵子さん、前田さん、佳子ちゃん、真由美ちゃん。いい時間を本当にありがとう。

by 江副 直樹 2013-4-4 22:10