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月と星の下。

2017.12.1

冬は星がきれいに見える。空気が澄んでいるからだ。大気中の水蒸気が少なくなるかららしいのだが、こんな夜は放射冷却で冷え込むと相場が決まっている。月が煌々と照って、夥しい星が瞬くと、気温はぐんぐん下がっていき、夜露は氷、つまり霜になって朝を迎える。

そんな冬の朝、12年暮らした福岡県のはずれ東峰村、標高250mにあった我が家の周辺は、雪のような霜に覆われていたものだ。お隣の大分県日田市に移っても、標高こそ下がったが、代わりに盆地気候のお陰で、ほぼ変わらぬ低気温に晒される。冬が本格化すれば、氷点下の朝は普通になる。夜明けと共に現れる景色は、屋根も畑も白い霜に覆われている。
さまざまな野草は、葉の形状に合わせるように、バラエティ豊かな霜をまとう。木部も樹脂も小さな針が高密度に刺さったような風情になる。その情景に誘われて繰り出せば、足元では霜柱がバリバリと音を立てるのだ。水が溜まるところには、氷が現れる。月と星が美しい夜は、翌朝に向けて霜が生まれ始める。夜が明ける頃、それはピークに達するのである。

寒ければ寒いほど、結晶は長く見事に育つ。辛い寒さが美しさの秘密。

草地は一面、このような状態になる。遠くには早くも朝陽が当たり始めた。

開いた花も等しく霜の洗礼を受ける。まるで砂糖菓子のように見える。

地中の水分との兼ね合いで、こんな見事な霜柱ができる。凛とした透明感。

by 江副 直樹 2017-12-1 10:10