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秋が深まって、空は日に日に表情が出てきた。毎朝の散歩がまた楽しくなる。

9月末の週末、家族で分母庵に泊まった。しばらくぶりの湿気、暗がり、静寂、圧倒的な緑。引っ越しのための片付けが待ったなしになってきて、家族総出で泊まりがけの取り組みだったが、考えてみれば、これは家族で泊まる最後の一夜になるはずだ。

ほぼ13年前、釣り場に近い日田に住む企みが、縁あってこの東峰村(当時は宝珠山村)に暮らすことになった。契約して半年後、準備もほとんどできないまま、えいやっと引っ越した。改築が加速するはずだったが、思わぬ長男の懐妊。家族が増えて、村の暮らしにもより深く入り込んで、厳しいことも楽しいことも、数え切れないほどの豊かな経験をした。
翌朝、いつものように1人起き出して、谷を歩いた。きっとこれが分母庵では最後の朝散歩。四季折々、この道を何度歩いたことだろう。仕事は忙しくなり、魚釣りは相変わらず。この村で生まれ育った息子2人、家族は4人になった。たかだか近所に移るだけなのだが、この12年を殊更思い返して、少ししんみりして、胸の中はありがとうでいっぱいになった。

釣りシーズンも終わり、今日は久々のジムへ。明日からは先週に続き、また東京へ。

朝陽の分母庵。

集会所の前から見上げる分母庵。季節ごとにさまざまな表情を見せた。どうか末永く。

東に広がる景色。

少し下ると、東に谷が開く。早朝、ここはバラエティ溢れる風景を見せる。定点ポイント。

山椒の実が色づく。

谷の周辺には、多種多様の草木が生えている。被写体には事欠かくことがなかった。

大好きなミゾソバ。

ミゾソバも花を開き始めた。秋は確実に項をめくっている。別れの日も近づいて来る。

 

 

 

by 江副 直樹 2013-10-7 22:10