ここから本文です

愛しきもの。

2017.4.22

夜半、目覚めることがある。時々一緒に寝る次男の寝息が、夜の静けさの中に吸い込まれていく。寝ている子供は、世界中で天使に例えられてきた。邪悪なものが一切消えて、無我な命の鼓動が睫に伝わっているような。僕も親であることを思い知らされる瞬間。

僕らは、子どもに限らず、さまざまな対象に愛を注ぐ。人であったり、動物や植物であったり。僕らは、それらの対象が安らかで、健やかで、穏やかであり続けることを願っている。そして、それを共に味わえることに喜びを見出す。さらに、互いの関係がどこまでも終わりなく続き、愛する対象の未来における幸福まで願うのである。この感情、この衝動。
我が子ならわかる。遺伝子の相続は本能に刷り込まれた暗号だ。でも、そうではない人や生物に対してまで、類似の感情を抱くのだ。曲がりなりにも生存競争の渦中に身を置きながら、僕らは愛しい対象を見つけてしまう。そして、より振り幅の大きな喜怒哀楽に一喜一憂する。愛しきものを持つことで、生の充実は限りなく増していく。不思議だね胸の奥。

別府山田別荘に泊まった夜。横で寝息を立てる次男。どんな夢を見る?

by 江副 直樹 2017-4-22 6:06