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3月。またこの季節がやってきた。ヤマメ釣り解禁。釣り人の正月。24歳の春から始めたフライフィッシング。病膏肓に入って、はや幾星霜。いまだに熱病は回復の兆しを見せず、季節が巡ると、毎年重篤な症状をぶり返している。多分、動けなくなるまでこうなんだな。

ヤマメは、川を流下する羽虫を、水面に鼻先やときに全身を露わにして食べることがあって、それをライズの釣りとか、魚が見えるので、サイトフィッシングと言ったりする。古来より、見える魚は釣れないと言われるが、必ずしもそうではない。明確な幸福が想像できて、興奮しないわけがない。強欲で固められた釣り人なら尚更。38年目の春が来た。
とは言え、近年、仕事は山のごとく迫ってくる。追い立てられるスケジュール。釣りは当面封印せざるを得ない。なんて、考えるはずもない。シーズンインの途端、東奔西走の愛車には、タックル一式が格納され、臨戦態勢が整えられる。会議の合間。出張のついで。時間を押し広げて、川へ行く。僕は生きていく上で、なにが大切かはわかっているつもりだ。

九州、なかでも大分にはいい川がたくさんある。会議が終われば。

タックルは極力コンパクトに。出張用のリモアがなにげに並ぶ。

by 江副 直樹 2017-3-6 14:02