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夏が逝く。

2017.10.2

朝の散歩が、もう半袖では辛くなった。いつの間にやら、夏は姿をくらましている。毎年思うのだが、9月に入った頃は、まだ夏は真っ盛りで、日中は炎熱の中にある。それがいつの間にか秋は忍び寄っていて、朝晩が急に寒くなったりする。夏は知らぬ間に逝く。

僕らは毎年歳を取る。着実に歳を取る。多くは誕生日が、その自覚の瞬間となるのだが、我々釣り人は、巡り来る季節にその歓喜と悲哀を知るのである。春が来た。秋が来た。シーズンは希望と野心で始まり、焦燥と諦観で終わりを迎える。1日の釣行の中のアップダウンもあれば、シーズンを通しての上下動もある。なんと賑やかな喜怒哀楽であることか。
河原に降りた途端、あまりの強烈な熱と光に、軽い目眩なぞを覚える盛夏。辺りは露出オーバーな風景が白っぽい。それがたかだか数週間後、川の水は心なしかブルーが濃くなり、水温は徐々に下降していることが見て取れる。空には入道雲の代わりに鰯雲が広がって、吹く風に川面はさざ波を立てる。今年も夏が終わり、秋が来る。この当たり前の素晴らしさよ。

夏の終わり、鮎釣り終盤、空には徐々に秋の気配が漂い始める。

真夏の陽射しは刺すごとく、灼熱と共にジリジリと照りつける。

こんな体躯の鮎が、次々に竿を絞ってくれれば言うことないのだが。

今年は何度通ったことか。来年も寸暇を惜しんで川に立つだろう。

by 江副 直樹 2017-10-2 11:11