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呼吸の深さ。

2017.1.16

新陳代謝。栄養摂取と排出。学習と見識。インプットとアウトプット。さまざまな出し入れには、ストロークに長さがある。浅く小さな呼吸のとき、僕らの心身は悪循環を起こしている。自分で寝息が聞こえるような夜は、僕らのカラダは心地よく疲労を脱いでいる。

情報にしても、現代ほど浅く広く、容易に多様な情報を手にできる時代はなかった。ソースに直接当たることなく、見知らぬ誰かに編集加工された情報を居ながらにして見ることができるのは、こそばゆい便利さと薄ら寒いような危険に満ちている。一方で、じっくり古典を読み込んだり、遠くの会いたい人を訪ね、気ままな雑談をする機会は明らかに減った。
僕らの思考のバックボーンとなる見識や教養は、そうした吸気の深さによって培われる。花や実を集めても、次世代の芽は生まれ得ず。最新アプリケーションも、脆弱なOSの上では充分に機能しない。優れたスポーツテクニックも、基礎体力がなくては身につかない。せかせかと小さな呼吸を繰り返すことをやめ、もっと深い呼吸を心がけようと思う今日この頃。

竹田広瀬神社から望むくじゅう連山。なぜ、深呼吸したくなるのだろう。

by 江副 直樹 2017-1-16 7:07