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前の年の9月末、ヤマメが禁漁に入り、ほぼ時を同じくして、鮎は落ち始める。僕ら釣り人は、その寂寥感をもって冬の訪れを受け入れる。それまで、あれだけアタマとココロを支配していた魚釣りが、唐突に終わりを迎え、モードは強引にスイッチオフ。秋風が身に染みる。

現金なもので、その途端に道具はほったらかし、翌春までまず顧みない。他の釣りをしない僕は、呆れるほどオフが鮮明に訪れる。大学で後期だけを受け持っているのは、実はこの釣り人事情に大きく関係している。冗談のようだが、本当だから仕方がない。それからというもの、日常で身体を動かすのは、1日置きのジョギングと毎日の軽い筋トレくらいになる。
もっとも、毎朝の散歩は変わらずだから、季節変化はこの一時に感じることが多くなる。花々が減り、緑の葉も赤や黄に変わり、山茶花などを除けば、ついには色を失う。Facebookに日々上げる写真も、春や秋ほどの華やかさはなくなって、代わりに、霜や雪の写真が時折。そんなことを何度か経て、ふと気づくと春はまたそこまで来ているのである。

春の訪れは、このオオイヌノフグリやホトケノザが教えてくれる。

と思ったら、翌朝は一面霜に覆われていたり。三寒四温は本当だ。

ある日、朝陽の感じが変わる。明るく、キラキラした光が混じるのだ。

と思えば、霜柱がはびこる朝が来る。バリバリと音を立てて歩く。

by 江副 直樹 2019-2-8 8:08 
EZOE naoki

田舎を拠点のプロデュース稼業。その日々仕事雑感、問わず語り。

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