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少し冷え込んだ朝。東京へ出発。土地が変わる出張は服選びに迷うことがある。

この日も、九州はかなり冷え込んだ。福岡市内と比べると、分母庵周辺の気温は、最大で5℃は違う。夏はまだしも、室内暖房の行き届いた冬の都市空間は、極寒の山上とはまるで別世界。慣れない頃は、何度もトイレで極地用下着を脱ぎ捨てた。

そんな当地も、今年の寒さは格別だ。ここで暮らした11年間の中で、今季は最も寒い。記憶では、マイナス7℃の外気が最低気温だったが、数週間前、ついにマイナス10℃まで下がり、完璧だと思っていた水道管の断熱が効かず、水が出ない朝を久しぶりに経験した。加えて、外にある水道が蛇口の下から破裂、元栓を閉める憂き目にもあった。
ことほど左様に、九州とは思えない厳しい冬の暮らしにも、楽しみはたくさんある。大雪の日、誰もいない林道で家族総出のソリ遊びもそうだし、近頃では、冷えに冷えた放射冷却の朝、霜の写真を撮ることが、新たな嗜みとして加わっている。一見薄雪かと見紛うそんな朝。そこには、驚くようなマクロのスペクタクルが待っているのである。

今日は生協の打ち合わせを2つ。夜は人に会って、明日は教育研修の講師を6時間。

折り重なる葉に。

山間は湿気が尋常でない。それが気温低下によって次々と極小氷になる。

苔の上で結晶化。

裏の花水木の枝についた苔。その上に霜の結晶が大きく美しく育っていた。

こちらは杉苔。

遠目には雪が積もっているかに見える。近づくとビッシリと結晶が伸びていた。

砂糖菓子のよう。

春を待つオオイヌノフグリの小さな葉に、まるでグラニュー糖をまぶした如く。

 

by 江副 直樹 2012-2-21 22:10